壊れた少女を拾ったので
- 作者: 遠藤徹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: 文庫
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ほおら、みいつけた―。きしんだ声に引かれていくと、死にかけたペットの山の中、わたくしは少女と出会いました。その娘はきれいだったので、もっともっと美しくするために、わたくしは血と粘液にまみれながらノコギリをふるいました…。優しくて残酷な少女たちが織りなす背徳と悦楽、加虐と被虐の物語。日本推理作家協会賞短編部門候補の表題作をはじめ五編を収録、禁忌を踏み越え日常を浸食する恐怖の作品集。
独特な世界の日常を描いた短編集ばかりで前作に比べて読みやすかった。個人的には直球グロよりシュールなギャグ話の方が好き。家電に恋をして子どもが出来る事を違和感なく描かれていたカデンツァが笑えた。
弁頭屋
人の頭をくり抜いて弁当ならぬ弁頭を売っている美人姉妹の話。
赤ヒ月
カリバニズムの学園モノ。
カデンツァ
人と家電の情交を描いた話。
壊れた少女を拾ったので
残虐なお姉さまを心酔する妹?の話。
桃色遊戯
桃色のダニによって世界が死に行く中を、生きる人々の話。
火星ダーク・バラード
- 作者: 上田早夕里
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: 文庫
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火星治安管理局の水島は、バディの神月璃奈とともに、凶悪犯ジョエル・タニを列車で護送中、奇妙な現象に巻き込まれ、意識を失った。その間にジョエルは逃亡、璃奈は射殺されていた。捜査当局にバディ殺害の疑いをかけられた水島は、個人捜査を開始するが、その矢先、アデリーンという名の少女と出会う。未来に生きる人間の愛と苦悩と切なさを描き切った、サスペンスフルな傑作長篇。第四回小松左京賞受賞作、大幅改稿して、待望の文庫化。
ハードボイルSFと思いきや、39歳のおっさんに研究所育ちの超能力少女が恋をする話でした。ちなみに大人なので少女に対しては毅然とした態度を取った所が渋くてカッコ良かった。ラストは衛星フォボスが火星に墜落する危機的状況は熱くなり、別れの時は目から汗が。おっさんの生き様に感動してしまった。また、ただの勧善懲悪ではなく、それぞれの人間には其れなりの目的・思想があり、簡単に善悪の判断が出来ない所は考えさせられた。
次はSFマガジンを読む予定だけど、あれは電車の中だと読み難いな…
虚構機関
- 作者: 田中哲弥,大森望,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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虚構機関を読了。様々なタイプのSFが読めて面白かった。
小川一水「グラスハートが割れないように」
疑似科学批判について考えさせられた。
山本 弘「七パーセントのテンムー」
病気の設定だけを語って終わりだったので、なんだか物足りない。
田中哲弥「羊山羊」
馬鹿らしい話は好きだけど、読んでいて心が痛くなった。
北國浩二「靄の中」
知的生命体に取り込まれた方が楽かもしれない。
円城 塔「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」
あまりにもバラバラし過ぎていたのでまとめぐらいは欲しかった。
中原昌也「声に出して読みたい名前」
「声に出して読みたい名前」はディッシュの「リスの檻」とはほど遠い感じがする。
岸本佐知子「ダース考 着ぐるみフォビア」
ダース・ベイダー こわい
ダース・ベイダー くろい
恩田 陸「忠告」
ひらがなで書かれた手紙が可愛い
堀 晃「開封」
ノックの音がしたで始まりおーい、でてこいでおわる。星新一のオマージュとしては最高。
かんべむさし「それは確かです」
リアルであっちに連れて行かれたら困る…。
萩尾望都「バースディ・ケーキ」
今時の若者なんで、絵になれない。
福永 信「いくさ 公転 星座から見た地球」
性別も年齢も明かされていないA・B・C・Dの話、描写的に小学生をイメージして読んだ。
八杉将司「うつろなテレポーター」
今回の短編集で一番面白かった。作者のデビュー作を購入してみよう
平谷美樹「自己相似荘(フラクタルハウス)」
幽霊を科学的に解明する捜査官の話。
林 譲治「大使の孤独」
ミステリとして読む作品じゃないけどアンフェアだと思う。
伊藤計劃「The Indifference Engine」
初めての伊藤計劃。虐殺器官とハーモニーも読んでみようかな。
魚舟・獣船
- 作者: 上田早夕里
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/01/08
- メディア: 文庫
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現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全六編を収録する。
久しぶりに表紙買いで良い作品に出会えた。
魚舟・獣船
表題作。海上で生活する人々は双子として生まれ、片方は人間と成長し、もう片方は魚舟と呼ばれる存在として大海原で成長して行き、過酷な環境で生き残った魚舟は人間として成長した兄弟の元に戻って来て…。見事な海洋SF。
くさびらの道
菌に感染して死んでしまうと、死んだ人が幽霊になって現れる話。バイオSFとホラーが上手く交わっていて見事。今作では一番のオススメ作品。
饗応
ホテル側の手違いで豪華な部屋に泊まる事になった男の話。身体の関節が外れる気分を味わえる露天風呂に入ってみたい。
真朱の街
人間と妖怪が共存している都市の話。妖怪が科学技術を使って人間に成りきっている所も面白いけど、なぜ妖怪が人間の前に姿を現す様になった理由を読んで、クラークの「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない 」を思い出した。
ブルーグラス
昔の恋の想い出の品を探しに、環境保全の為に立ち入り禁止となる海に潜る男の話。
小鳥の墓
エリートを育成する街に住む僕のお話。作者のデビュー作の前日譚らしいのでそちらの方を購入する予定。
姉飼
- 作者: 遠藤徹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 文庫
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選考委員への挑戦か!? 物議を醸した第十回ホラー大賞大賞受賞作文庫化!
蚊吸(かすい)豚(ぶた)による、村の繁栄を祝う脂(あぶら)祭りの夜。まだ小学生だった僕は、縁日ではじめて「姉」を見る。姉は皆、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら、凶暴にうめき叫んでいた!
姉飼読了。ホラー小説は肉体的にも精神的にも痛いと感じるお話より、痛い事に対して気にしない人が出てくる感じの話の方が好き。
姉飼
卑猥な話というよりサドちっくな話。ラストは何んとなく読めたけど、もう少し伏線的な物が欲しかった。
キューブ・ガールズ
性格、容姿、癖など、様々な設定が出来る、未来のダッチワイフの話。
ジャングル・ジム
様々な人の悩みを聞く、ジャングル・ジムの話。途中、女性と食事やホテルに行ったりして、女性はジャングル・ジムを受け入れてくれるけど、何処をどうやって受け入れたのか気になる。
妹の島
妹だらけの島ではなく、瀬戸内海の島で果樹園を経営する一族が惨殺される話。もっと話が膨らめば長編が出来そうだけど、探偵役がいないから無理か。
独白するユニバーサル横メルカトル
- 作者: 平山夢明
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/01/08
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タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。
このミス2007年版で見事に1位に輝いた、独白するユニバーサル横メルカトルを読了。グロ系ばかりだけど、最後に主人公が救われた話が多かった感じがする。
C10H14N2と少年−乞食と老婆
ホームレスと社長の息子の交流を描いたお話。
Ωの聖餐
ヤクザが殺した人間の処理を行う、元サーカスの大食い男の世話する男のお話。
無垢の祈り
虐待されている少女が殺人鬼に救いを求めるお話。
オペラントの肖像
条件付けによって合理的に人間社会が築かれた未来のお話。
卵男
隣り合わせになった連続殺人犯と放火を犯した強盗犯のお話。
すまじき熱帯
組織を裏切った男を追いかけるお話。
独白するユニバーサル横メルカトル
タクシー運転手の地図帖が語りの変わったお話。
怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」
組織にとって不要となった人間を拷問する男のお話。