火星ダーク・バラード

火星ダーク・バラード (ハルキ文庫)

火星ダーク・バラード (ハルキ文庫)

火星治安管理局の水島は、バディの神月璃奈とともに、凶悪犯ジョエル・タニを列車で護送中、奇妙な現象に巻き込まれ、意識を失った。その間にジョエルは逃亡、璃奈は射殺されていた。捜査当局にバディ殺害の疑いをかけられた水島は、個人捜査を開始するが、その矢先、アデリーンという名の少女と出会う。未来に生きる人間の愛と苦悩と切なさを描き切った、サスペンスフルな傑作長篇。第四回小松左京賞受賞作、大幅改稿して、待望の文庫化。

ハードボイルSFと思いきや、39歳のおっさんに研究所育ちの超能力少女が恋をする話でした。ちなみに大人なので少女に対しては毅然とした態度を取った所が渋くてカッコ良かった。ラストは衛星フォボスが火星に墜落する危機的状況は熱くなり、別れの時は目から汗が。おっさんの生き様に感動してしまった。また、ただの勧善懲悪ではなく、それぞれの人間には其れなりの目的・思想があり、簡単に善悪の判断が出来ない所は考えさせられた。

次はSFマガジンを読む予定だけど、あれは電車の中だと読み難いな…