独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の果てに連続殺人鬼に救いを求める「無垢の祈り」。限りなく残酷でいて、静謐な美しさを湛える、ホラー小説史に燦然と輝く奇跡の作品集。

このミス2007年版で見事に1位に輝いた、独白するユニバーサル横メルカトルを読了。グロ系ばかりだけど、最後に主人公が救われた話が多かった感じがする。

C10H14N2と少年−乞食と老婆
ホームレスと社長の息子の交流を描いたお話。

Ωの聖餐
ヤクザが殺した人間の処理を行う、元サーカスの大食い男の世話する男のお話。

無垢の祈り
虐待されている少女が殺人鬼に救いを求めるお話。

オペラントの肖像
条件付けによって合理的に人間社会が築かれた未来のお話。

卵男
隣り合わせになった連続殺人犯と放火を犯した強盗犯のお話。

すまじき熱帯
組織を裏切った男を追いかけるお話。

独白するユニバーサル横メルカトル
タクシー運転手の地図帖が語りの変わったお話。

怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」
組織にとって不要となった人間を拷問する男のお話。